すい臓がんの様々な症状
すい臓がんは、特有の症状というものがありません。
全く何の症状もなく、いつの間にか癌が進行していて、他の器官にまで影響が及び、はじめてすい臓がんに気づいた…ということもあるのです。
特有の症状がないといっても、症状がすい臓がんに良く似ているすい炎の症状について良く理解しておき、そのような症状が現れたら、すい臓がんも疑ってみるという姿勢をとることも大切です。
すい炎の症状としては、痛みについてあげられることが多いのですが、その他にもいくつかの症状があり、すい臓がんとも共通する症状です。
急性のすい炎の場合、ほとんどの場合、微熱を伴い、40度近い高熱を発することもあります。
それだけでなく、吐き気や嘔吐など消化器症状を伴うこともあります。
慢性のすい炎の場合、病気が進んだ段階では、消化吸収障害からくる体重減少、糖尿病なども現れてきます。
また、反復的な激痛に襲われる、持続的な鈍痛があるなど、長期にわたって痛みが続きます。
そのため、精神的に抑うつ症状をきたすこともあります。
慢性すい炎により、二次的に糖尿病を発症している場合、糖尿病に気づいていても慢性すい炎に気づいていないことがあるので、糖尿病のための適切な治療を行い、自己管理もしているのに、症状が改善しないという場合は、糖尿病ではないかもしれないと疑ってみる必要があるかもしれません。
すい臓がんの症状には、腹痛、体重減少、黄疸、耐糖能異常などがありますが、初期には無症状であることが多いです。
癌が進行すると、背部痛、腹痛、下痢などの症状が起こります。
これらの症状は、すい臓がん特有の症状というよりも、癌がすい臓にとどまらず周囲に広がってしまったことを示している症状なのです。
このような症状が出たということは、癌がかなり進行しているということなのです。
すい頭部という、すい臓の右側の癌では、皮膚や尿が黄色く染まる状態の黄染で発症することがありますが、これは、腫瘍が総胆管を閉塞して、黄疸が出たからなのです。
黄疸とは、病気や疾患に伴い出る症状の一つで、身体にビリルビンが過剰に存在することから、眼球や皮膚といった組織や体液が黄色く染まる状態をいいます。
また、特徴的な症状を示す「すい内分泌腫瘍」がありますが、インスリンやガストリン等、様々なホルモンを分泌し、低血糖や消化管潰瘍などを示します。
癌性疼痛と対処法
癌が発生すると身体に激烈な痛みを伴うことがありますが、このことを癌性疼痛といいます。
癌性疼痛の原因は、神経や内蔵を侵し圧迫する癌種だったり、血管を侵したり圧迫による血行障害の痛みだったり、組織壊死による痛みだったり、炎症を起こしている痛みだったりと様々なものが考えられます。
こういった痛みは、すい臓がんに限ったものではありませんが、とても耐えられないほどの痛みだと聞きます。
また、癌になると、様々な不安に襲われると思います。
機能を喪失してしまったことに対しての不安、社会、家庭からの疎外感、病気に対する不安、死への恐怖など、精神的に負担が多くなります。
そのため、身体的な痛みがより強く感じられることもあります。
痛みに対する対処は、治療と看護計画を合わせた、ターミナルケアの一環として行われますが、痛みの原因になっているもの、病状、生命の危険性、生活スタイルなど、総合的に考慮する必要があります。
治る見込みがないと診断され、3~6ヶ月以内に死を迎えることが予測される患者に対して行う治療や看護のことをターミナルケアと呼んでいます。
すい臓がんの場合、すい臓の周囲には肝臓へ行く肝動脈や、腸へ行く上腸間膜動脈、門脈が張り巡らされているので、肝臓への癌の転移を早めることがあります。
また、すい臓がんは早期発見が難しく、手術が可能なのも30パーセントに過ぎないので、肉体的な苦痛の軽減はとても重要な治療になるのです。
痛みに対する対処法は、激しい痛みに対しては、鎮痛剤やモルヒネなどの麻薬注射が投与されます。
これらは、鎮痛効果のある麻薬ですが、量が多くなれば、急速に体力を衰弱させてしまいます。
最近では、抗うつ薬も効果があると報告されており、よく用いられるようになったそうです。
薬の効果がなく、手術もできない場合、その痛みを抑えるために放射線や神経ブロックという方法がとられます。
神経ブロックという方法は、癌性疼痛の中でも、特に限定されている痛みや、内臓から起こる痛みの場合に効果的なようです。